エビ漁の網の中身はエビではなく約半分が海洋投棄ごみ
エビ漁は網を使って、海底などにいるエビをまとめて捕獲するという方法で行われることがあります。しかし他国のエビ漁において、海底に投げ入れた網を回収した際、網の中身が問題視されています。問題となっている網の中身は、エビや魚というわけではなく海洋投棄ごみです。
しかもここ数年で捨てられたごみというわけではなく、30年も前の海洋投棄ごみが網にかかるケースも見られます。網の中身の約半分が海洋投棄ごみのこともあり、漁師を困らせる原因になっています。
ではエビ漁で網に多くの海洋投棄ごみがとれることには、どのような問題があるのでしょうか。問題点の1つが、漁師の収入減であるエビの捕獲量が減ってしまうことです。海洋投棄ごみが多いエリアだと、そのエリアに生息しているエビの量自体も減ってしまう可能性もあります。
生息しているエビの数そのものが減っている場合、同じように漁を続けても漁師はエビを捕獲しにくくなります。さらに網に海洋投棄ごみがかかると、網を傷つけてしまうリスクもあります。実はエビ漁に使われる網は、ある程度の金額がかかるものです。海洋投棄ごみによって高価な網が使えなくなると、漁獲高が減っていることも合わさって漁師は金銭的な負担が大きくなります。
ほかにも海洋投棄ごみで注意が必要となるのが、問題が今後も継続する可能性があるという点です。30年前のごみが網にかかるということは、10年後には20年前のごみ、20年後には10年前のごみが網にかかって問題視されるかもしれません。
海洋投棄ごみは今だけの問題と思っている方もいますが、未来にとっての問題になる可能性が高いという点を押さえておきましょう。
すでに捨てられたごみは、1人1人の力では回収することは難しくなります。ですが30年後の未来のために、海洋投棄ごみを減らすのは1人1人の努力で実現できることです。海に直接捨てなくても、街中で捨てたごみが風や川に流されて海にたどり着くこともあります。
ごみは正しいところに捨て、海洋投棄ごみを減らす努力をしましょう。